「この世をば」上下 永井路子著

永井先生による藤原道長のお話。

エリートで独裁的な人かと思っていたら、関白の息子ではあるものの末っ子的なポジションで、そんなに期待されていなかったし本人ものんびりしていた。長兄や次兄のほうが権力欲豊富でガツガツしていた。天皇に輿入れして国母になった姉に引き立てられて、良縁に恵まれたりした。

父が亡くなった後は長兄が実権を握るも、天皇に輿入れさせた娘に子供が生まれないまま死去。次兄は女の子がいなかったし、長兄死後関白になるも数日後に死去。

道長は次兄の死後、姉の引き立てで実権を握り、娘も何人か恵まれ、天皇に輿入れさせた娘が男子を生むことで長期にわたって政権のトップにい続けることができた。ラッキーでのし上がることができたし、周りがどんどん死んでいくという恐怖心から、バランス感覚を持って政治に取り組むことができたのが長期政権の原因だそうな。

摂関政治って、天皇と年頃の合う女の子がいて、男子を産まなければいけないからかなり無理ゲーですな。そうは続かないぞ。さらに天皇何代かにわたって成功した道長も、かなり近親婚を続けているからきつそう。父系がサンデーでも3/4がノーザン系みたいな感じだな。天皇の血ってほぼ藤原氏では・・・