源平合戦時代あたりの短編集。
表題作は、壇ノ浦の後、大原に隠遁した徳子の元に後白河法皇が訪れる。
徳子の侍女の考えは至極真っ当で、平家追討を命じた法皇がなぜのうのうと徳子の前に顔を出せるのか。市中引き回しされた平家の落ち武者(宗盛とか)を平然と見物しに行ってるとか、最近まで親しく使っていた人々に対する仕打ちとしてかなりサイコパス味がある。
ここでも徳子は全てに対して無反応になっていた。
著者の別の本だと、徳子は使えない女扱いされていた(壇ノ浦でも二位の尼は徳子に任せず自分で安徳帝と三種の神器を抱えて入水した。)それをこういう解釈するのね。