「悪霊列伝」永井路子著

御霊神社に祀られている人がどのような人で、なぜ悪霊になったか。

菅原道真公は上げ上げエピソードが多いから、天才で人格者だと思っていたら、生真面目な官僚で、人を陥れるような人格の強さは無かったとのお話。政治家として目立った功績は無いそうで、可もなく不可もなくって感じ。菅公が亡くなった後、菅公を陥れた人を陥れるために、別の政治家によって悪霊化されたとの推測。

早良親王あたりは桓武天皇の後悔が絡んで国家的な悪霊と化していますが、その後は個人的なスケールに落ちていって悪霊が小さくなるんですな。そのへんは権力のあり方が変わって平安の公家のスケールが小さくなっているから。