「旋風に告げよ」上下 陳舜臣著

風よ雲よで主人公だった鄭芝龍の息子鄭成功のお話。

前は北京が陥落して明が実質的に滅びるまで。

今回は海賊の首領鄭芝龍は明の亡命政権を支えるも、打算的な性格なので、明の復興は望み薄と考えて、清と二股をかけます。

後継者の鄭成功は義に生きる硬骨漢なので父とは対立関係に。

ただ明の亡命政権は未だに内紛でグダグダだったりするので、無理っぽい感じではある。隆武帝鄭成功を一目見て気に入って、名字を与えたから鄭成功の別名は国性爺なのね。隆武帝がグダグダの中で死亡して、鄭芝龍が清に乗り換えたほうがいいんじゃねえのと言い出したところで、鄭成功がうまく部下を押さえて、少数の兵だけで父を追い出すことに成功。そこから他の一族の兵も押さえて、南海随一の勢力になって、南京攻略に向かうのがハイライト。ただ結局は南京で清軍に負けてしまって明朝復興は夢となります。

目先を変えて、台湾を攻略しオランダ東インド会社を粉砕したところで、打ち切りのように唐突に終了。もうちょっとその後を書いてほしかった。