「戦国海商伝」上下 陳舜臣著

戦国時代初期、7歳の頃明に渡った佐太郎。彼は自分の出自を知らなかったが、実は毛利元就の落し胤だった。佐太郎は成長しつつ、貿易、明や日本の情勢、倭寇のことなどを学んでいく。

話のほとんどは多国籍武装商人である倭寇と明との戦いです。この時代の倭寇は明の沿岸部の人とか日本人、琉球人、南蛮人等々、多国籍なんですね。明確に何人という意識は薄いのかもしれない。

後半で佐太郎が大人になって、倭寇の実力者になると、大内家を乗っ取った陶晴賢毛利元就との厳島の戦いがメインになる。佐太郎もその頃は活躍の場を日本に移し、実の父親の毛利元就を助けることに。厳島の戦いの後はエピローグになって、佐太郎は国際商人となって東南アジア等に活躍の場を広げて終了。

佐太郎のキャラがやや薄いので、周囲の情勢をえがいて話が淡々と進む感じ。明とか倭寇が題材の話は珍しいので、面白かった。