「聞書き 遊廓成駒屋」神崎 宣武著

名古屋の中村遊廓について聞き書き

私は親戚が中村区在住でちょくちょく行くし、地下鉄代を安くするために中村日赤あたりから名駅まで歩いたりするので土地勘はかなりある。実は中村日赤で産まれたしね。

本に載っていた昭和30年代の中村遊廓の地図は、こんな大規模遊郭だったのかと衝撃的だった。今じゃソープも寂れて、リハビリセンターとか老人介護地帯だわな。

元々大正時代は大須に旭遊廓というのがあって、都市化が進んだので田んぼだった中村に移転したそうな。昭和30年代の売春防止法遊郭は廃止になって、廃業したりソープになったりした。

この本では1970年代に取り壊し中の遊廓に出くわした筆者が、遊廓の道具類を譲って貰い、過去の話を知る人に聞き書きしたという内容でした。この本に出てきた遊廓の経営者のバアさん、仲介屋、娼妓たちはもう生きてはいないだろう。もう知っている人のいない世界ですね。

娼妓の借金が膨らむシステムとか、ホオズキの茎をあそこに入れて堕胎するとか、性病検査の際にわざと高熱を出させて性病をわからなくするとか衝撃的な話が出てくる。

昔はすごかったなあと思いつつ、今の性産業の女性たちもそんなに変わるものではないよなあと思ったりする。