講談社学術文庫。インカとスペインがどのように関わり合ってきたか。
最初はインカ帝国とスペインの前史から始まって、全然関係なさそうな話が進められますが、コンキスタドールがインカ帝国に到達して話が展開し始めます。
スペインの、レコンキスタ、ユダヤ人やイスラム教徒の追放、インディアンへの布教という流れはかなりげんなり。
インカ帝国滅亡後で話が終わることが多いので、そこから先が語られるのは勉強になる。
インカ族に敵対する部族とか、スペインに反抗するインカ族に対してスペインに服従するインカ族とか、かなり政治的な力学が複雑なことに。現地のスペイン人による統治より、海の彼方のスペイン王の権利を正当とする考えが強いのですな。
スペインがポルトガルを併合したことにより、元ユダヤ人のポルトガル商人によって、金融の流れを握られてしまう。そして異端審問でポルトガル商人を根絶やしにするという流れ・・・
現地の女性は、民族に関わりなく、インカの魔術に夢中という話が面白い。