「超越と実存 「無常」をめぐる仏教史」南直哉著

無常を軸に、これまでの仏教の思想変遷を筆者の解釈で読み解いた内容。
筆者のことだから、道元をクライマックスに締めるだろうと思ってたら、親鸞も双璧でそんなすごいのかと驚いた。
無常がテーマの原始仏教と絶対的存在を根本とする一神教は、根本的に方向性が違うと、私は学生の頃に感じていたので、それを文章として精緻に示して貰えてとても嬉しい。昔は浄土系や密教は仏教じゃねーよと嫌ってたのですが、今はそれで救われるならなんでもええよという気分。
華厳で空の意味が転換しているという指摘は納得。
無明は言語機能という指摘も納得です。