「虹滅記」足立巻一著

やちまたの作者の祖父、父、一族の運命。
作者は幼少の頃に、祖父と二人でフーテンの生活をして、祖父が頓死して親戚に引き取られたという結構ヘヴィな生い立ちです。それでもわりと淡々と祖父や父、親族の物語を縁戚や寺の過去帳、墓石などから綴っていきます。
全然趣は違うのですが、最近読んだガルシア=マルケス百年の孤独も一族の運命を描いたもので、日本的な感じと南米的な感じの違いや近い部分を考えてしまいました。
作者が幼少にいた寺のお姉さんが、幸薄そうに見えて、男子二人を産んで一族を繋いだのには、人の世の不思議さを感じさせます。