「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ著

ホモ・サピエンスは何故他の生物を圧倒したのか、これからどうなっていくのか。
ホモ・サピエンスが他の生物を圧倒した理由は、虚構を信じる能力であるという主張です。
普通の生物が協力し合える範囲は、家族かせいぜい数十匹程度の群れであるのに対し、ホモ・サピエンスは国家や宗教などという虚構を通して、顔も知らない人々と協力する事が可能であると。
それは現代に至っても変わらず、通貨や会社や憲法などという虚構を通じて協力しあっている。
世界の秘密を開陳するのに、非常にわかりやすい内容で、感心しました。
人権が宗教の一種とか、通貨は想像上の産物とか、ちょっと突っ込んだ本を読むと書いてあったりしますけど、全部虚構と言い切っちゃうのは素晴らしいですね。
人間の脳の構造としては、脳科学とか仏教の話につながるのかな。仏教は概念を解体するのが目的地みたいなもんだし・・・仏教と他の宗教の違いについても書かれていて、筆者の仏教への理解もすごい。