「ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789−1815」鹿島茂著

講談社学術文庫。ナポレオンを熱狂情念、フーシェを陰謀情念、タレーランを移り気情念として、この三人の三つ巴の戦いの内容。ナポレオンの戦いは色んな本で読んだし、フーシェツヴァイクで読んだので、どういう生涯かは把握してましたが、タレーランは何がすごいのか知らなかったので、この本で偉大さを知りました。
タレーランは単なる放蕩な裏切り者ではなく、メッテルニヒ以上の外交の達人だったのですね。ナポレオンがあれだけ惨状を引き起こしたのに、フランスが大国の地位を保ったのはタレーランの外交手腕の賜物だったという驚き。
ドラクロワタレーランの隠し子というのも驚きですが、ナポレオン三世の腹心モルニー公爵はタレーランの孫ってのも驚いた。モルニーはナポレオン三世の種違いの弟だしとんでもない血統だな。