「満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦」安冨歩著

角川新書。満州日露戦争までは森林地帯で、日本の植民地化で急速に農地化して夕日が見える平原になったという事実は驚き。
様々な要素が互いに原因と結果になって加速度的に進んでいくポジティブフィードバックについて解説があり、満州が農地化したのは、満鉄の延伸、国際的な大豆の高騰、総力戦に向けた日本による入植等がポジティブフィードバックを起こしたという解説です。
後半の立場主義は本の主題としては脱線気味な感じがしまして、日本固有の現象というより、ハンナ・アーレントの悪の凡庸さと同じことじゃないかと思いました。現代日本にそんなにストレートに当てはめられるかなと疑問。