「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」上下 デイヴィッド・ハルバースタム著

朝鮮戦争の全貌。
以前児島襄の朝鮮戦争を読んだのですが、児島版は戦記っぽい内容ですが、こちらは戦争の背景というか政治的側面にもかなり詳しく書かれています。
マッカーサーについては父親の経歴から始まって、誇大妄想からくる仁川上陸作戦の成功と北伐の大失敗、ホワイトハウスとの確執と解任と、悪い意味ですごい人だったということがわかりました。
マッカーサーの影響をなんとか振り払ってリッジウェイがなんとか国連軍を立て直す一方で、毛沢東の妄想によって彭徳懐が散々苦労すると、ひどい展開だなあ。
カス野郎ども(スターリン毛沢東金日成マッカーサー等)のせいで、まともな人(リッジウェイ、トルーマン、マーシャル、彭徳懐、現場の兵隊等)が苦労する展開がひたすら繰り返されるというのはわりとげんなりします。
リッジウェイ、彭徳懐トルーマン、マーシャル等、名前は知ってるけどどんな人か知らなかったのですが、なんとなくイメージを掴むことができるようになりました。マーシャルなんて日本語のページを検索するとプライベートライアンの無茶ぶり上司か共産党の手先みたいなひどい内容のページしかなかったりするしね・・・
人民解放軍が音もなく国連軍を包囲して、鞭の罠で殺しまくるのは恐ろしい展開だけど、一度リッジウェイが対抗方法を見つけ出すと限界にぶち当たるというのは、ベトナム戦争イラク戦争に米軍の長所短所が見えてくるのと近い展開に見えました。歴史はある意味繰り返されているようです。