「長沙作戦」佐々木春隆著

著者が1少尉としてはじめて中国戦線に赴任し、一下級将校の視点で作戦がどのように推移したかというお話。新品少尉の成長物語として見ると非常に面白い。
実際の戦争としては、第二次長沙作戦は作戦の甘い見込みから敗北しており、撤退戦が非常に痛々しい。戦争は過誤の連続で、お話のようにうまくは進まないことがよく分かる。作戦指揮官は阿南大将で、終戦時の陸軍大臣としての振る舞いは立派とはいえ、そんなに戦争はうまくなかったのかなと思わせる。