西洋史と東洋史には両方共欠陥があり、ユーラシア全体の歴史の記述に向かないという著者の主張。
西洋史は二項対立(アジア対ヨーロッパ、キリスト教対イスラム教)であり、東洋史は皇帝の歴史であるとのこと。
世界史と言えるのはモンゴル帝国からであり、以降は中央アジアの遊牧民の動向が世界の歴史を左右することになる。今まで辺境として取らえられた部分が実は歴史の中心であると言うことですな。
中華皇帝を中心とした歴史観では、モンゴル以降の歴史の記述には適さないという意見には納得。遊牧民は人種的な民族から定義することはできないという話も感心。