「冷い夏、熱い夏」吉村昭著

著者の実弟が肺がんにかかり、闘病生活の末死んでいく内容。
昔の話なので、本人にはガンであることを最後まで隠し通します。
アフリカの餓死寸前の子供の写真みたいで、よくもまあこんな内容を作品にできるものだと感心。家族が死んでいくことや、自分が死んでいくことを想像してしまいます。
吉村昭自身は、最期は自分の点滴管を引き抜いて自殺同然に死んでいっただけに、どんな死生観か考えてしまう。まだ嫁さんは生きてるんだよなあ。