「データで読み解く中国経済」川島博之著

中国の経済成長は何に寄ってもたらされてきたのか、著者がマクロな金の流れを追って解き明かすという内容。この本はかなり驚愕の内容でした。
中国経済は莫大な投資によって支えられおり、その投資のほとんどは海外からではなく、国内の自己投資である。自己投資は国からの投資ではなく、地方自治体による投資。農民から取り上げた土地を開発し転売することで得られた莫大な金が自己投資の源泉であるとのこと。
日本でもバブル時代は土地の値段高騰によって生じたわけで、中国は年間2000万人の都市への移入人口があり、膨大な住宅地の需要があったわけですな。日本と違って土地の所有権は地方自治体にあり、農民は土地の使用権しかなかったため、地方の役人は農民からタダ同然で土地を取り上げることができた。所得した農地を宅地に変え、道路や鉄道の開発に莫大な投資が注ぎ込まれ、このサイクルが中国の経済成長の理由であると。
問題は土地バブルの終焉に向かっていることで、これからの中国経済はバブルの崩壊でとんでもないことになる・・・