「チベット旅行記」河口慧海著

日本人で初めてチベットを旅行した坊さんの話。漢訳された仏典に疑問を持ち、原典に近い仏典を探すというのが動機。
チベット鎖国していて外国人が潜入するのは困難で、関所のない山越えとか中国人のふりとか危ない橋を渡りまくりです。
前半がインドからネパールを経由してチベットに潜入、ラサに到着するまでのお話で、山越えやら山賊やら波瀾万丈この上ないです。
ラサ到着後はチベット仏教学習のため現地滞在の話になり、チベットの風俗について色々書かれています。
後半は日本人であることが発覚しそうになり、インドに出国するお話。なんだかんだで関所を高速で通過してしまうのは衝撃の展開。
河口師はこの本の中でチベット仏教の堕落ぶりに触れてますが、日本の仏教にも疑問を持たれていたようで、晩年は在家仏教を唱えて日本の仏教から離脱してしまいます。自分もこのあたりの話は気になるので、河口師の著作「在家仏教」を読んでみるつもり。河口師の生き方は憧れるなあ。