「ザ・グレート・ゲーム―内陸アジアをめぐる英露のスパイ合戦」ピーター ホップカーク著

19世紀ごろの中央アジアをめぐるイギリスとロシアの勢力圏争いについて書かれた内容。
中央アジアを勢力圏に収めつつインドを目指すロシアと、インドを植民地としたイギリスが、主にアフガニスタンをめぐって勢力圏争いを繰り広げます。
イギリスがアフガニスタン保護国にしようとして侵攻するも、現地人の反抗にあって全滅状態になるという顛末は、その後くり返されるアフガニスタンへの大国の侵略と悲惨な状況を彷彿とさせます。
グレートゲームは最終的に極東に舞台を移し、中国大陸制覇を目指すロシアとイギリスの代理人たる日本による日露戦争が勃発し、日本の勝利でロシアが没落することで、ゲームセットになります。
英露によるグレートゲームは集結しましたが、アフガニスタンを中心とした中央アジアをめぐるグレートゲームは依然進行中であり、ゲームの行方は予断を許しません。