「獅子の座 足利義満伝」平岩弓枝著

足利三代将軍義満を主人公にした歴史小説。最初は細川頼之と妻玉子の閨房シーン。玉子は死産してしまい、特に二代将軍義詮の嫡子春王後の義満の乳母を命じられます。春王の生涯に渡る乳母玉子への愛情がこの小説の肝になります。
二代将軍義詮の時代は、南朝もまだまだ強力で、室町幕府は有力御家人が内紛しまくりで酷い有様。三代義満の代に南北朝を統一し、有力御家人の力を削ぎ、明との交易も行なって経済力ありと室町幕府最強の時代になります。義満の野望はとどまるところを知らず、自身を法王扱いとして天皇をないがしろにするばかりか、息子の義嗣の元服親王に准じた形式で行う(小説では将来春宮にするつもりにしていた)という状況でした。
結局最後は毒殺されちゃうんですが、殺そうと思う人がかなり義満に惹かれてるのが面白い。
そういえば山風先生の「婆娑羅」だと道誉が婆娑羅の頂点に達したと思ったら、道誉を超える超変態魔人として義満が登場して道誉憤死という超展開だったのを思い出します。