「日中国交正常化」服部龍二著

中公新書。1972年、日中国交正常化が成し遂げられた。この時の田中角栄総理、大平外相、周恩来を始め、外交官僚がどのように苦心して外交交渉を行ったのか追った内容。
戦後はサンフランシスコ講和条約体制のもとで、日本は台湾の中華民国を正統政府としていたのですが、ニクソンショックにより状況が一変し、田中角栄主導のもと、中国の対ソ戦略という事情もあって国交正常化が実現したのでした。
もし田中角栄の実行力がなく、周恩来中国共産党第一世代が亡くなった後では国交正常化は困難ではなかったかというのが筆者の主張。
内政の方を重視しがちだけど、外交のほうが難しいね。