「戦争における「人殺し」の心理学」デーヴ・グロスマン著

戦争で兵士が人を殺す事に関する心理について書かれた本です。
ほとんどの兵士は人間を殺すことに抵抗があって、第二次大戦までは八割の兵士が発砲していないか、当たらないように撃つ。実際に敵を狙って小銃を撃っているのはかなり少数。
自分が小銃で敵を撃って死ぬのを見てしまうと高確率でトラウマ化。
直接人型の敵を見ない、砲兵や水兵、飛行機乗り等には攻撃する抵抗感はないし、トラウマも発生しない。
米軍は第二次大戦後、ほとんどの兵士が殺さない事に気づき、訓練方法を改善(?)した。その結果、ベトナム戦争では発砲率が9割りになった。
兵士の発砲率が上がった代償にトラウマ率もアップ。さらに、これまでの戦争では帰還兵士は社会的に讃えられていたのが、ベトナム戦争では迫害対象に。帰還兵士のトラウマ度は空前のひどさに。
米軍の訓練法はパブロフの犬的条件付法。最近のテレビゲームはこの条件付法的で、子供の精神には良くないとの意見。


等々、平和ボケの日本人は必読の内容かと思いました。