「江戸の税と通貨」佐藤雅美著

「大君の通貨」や「十五万両の代償」を書いた著者が小説ではなく解説書として書いたお話。
「官府の印理論」、紙や陶器でも政府が印をうてばそれはお金であるという理論で、現代では当たり前ですが、昔それを実現したのは徳川幕府だけというとんでもない事実!
あまりにもうまく行きすぎて、役人自体も特異性に気づかず、外人も日本側の嘘とみなしたおかげで、幕末の為替レートは間違ったレートに設定され、日本の品物は三分の一の価格で流出するはめになったのでした。作者はこの時の経済混乱の影響で徳川幕府は崩壊したとみなしてます。
結局社会を変えるのは経済的要因なんだけど、それに気づくのは後付になっちゃうなあ。