前に読んだ「マリー・ルイーゼ」の作者の塚本先生が書いたメッテルニヒの伝記。メッテルニヒはオーストリア帝国の政治家で、前半生はナポレオンに対抗してオーストリア、プロイセン、ロシア、イギリスの大同盟を組織してナポレオンに打ち勝つという大勝利な功績。後半生は多民族国家オーストリア帝国の安定を保つために革命勢力を抑圧しまくった保守政治家として嫌われました。ナポレオン倒してから三十年以上実権握ってるというのはすごい。結局は首都が革命騒ぎになって、メッテルニヒは辞表だして75歳にしてイギリスに亡命するはめになったのでした。オーストリアは他の大国と違って、やたら多民族国家だから、近代国民国家への流れには対抗しきれ無かったということですな。オーストリアが第一次大戦後大国の座を追われたのはここに理由があるわけです。