「富・戦争・叡智」バートン・ビッグス著

第二次大戦前後で株価がどう動いたか、資産をどのように持っていれば良かったかを調査したお話。戦勝国はともかく、負けた国でも株を持っていればそれなりにプラスとの結果。債権はダメダメで、土地はまあまあ。敗戦後の日本だと、地主でも農地改革で安く土地を取られたので、土地がダメな場合もある。
ヨーロッパに住むユダヤ人は資産を半値以下で買い叩かれ、さらに海外に逃げようとしても外貨持ち出しに90%もの税金をかけられたので、逃げられてもほとんど資産が残らなかった。それでも命があればまだマシでかなりのユダヤ人は殺された。
結論的には、財産のほとんどは株として幅広く投資するべき。インデックスファンドが良い。財産は一カ国だけではなく、他の大陸でも保持すること。数%を隠れ家的な農地として持っておくと、世界的な戦争の時にも比較的安全に過ごせるかもしれない。ロシア人の富豪がアメリカとかに別荘を購入するのは、投資というより逃げ場の確保の意味が大きい。
自分はほとんど資産がないので、参考にはなったけど実践は難しいかな。この本の難点は訳に間違いが結構あること。スターリングラード攻防戦レニングラード連呼するとか、校正仕事しろ。