「妻を帽子とまちがえた男」オリヴァー・サックス著

神経科医のサックス先生による、不思議な症状を抱える患者のお話。
表題の人は生物と無生物の区別がつかなくなる症状です。24編のお話が載っていますが、自分が一番感銘を受けたのは7桁とかとんでもない桁の素数をソラで見つけることができる双子の話。数学能力が高いわけではなく、むしろ知的障害なのに、どこからか素数を見つけ出してくる。普通の人ではできない方法で素数を見つけることができるのですね。ラマヌジャンも同じような能力を持っていたのでしょう。
どうも私も数字に関する感覚が普通ではないようで、私の脳内だと数字は色違いの粘土の塊のような感覚です。細かい計算は不得意ですが、概算とかブール演算は非常に得意です。一度神経科の記憶力テストで、言われた数字を逆の桁から答える、例えば1234と言われたら4321と答える、というテストを受けたことがありまして、自分は12桁の数字を逆向きに答えることができました。脳内でブロックとして数字を置いて、ひっくり返すというちょっと話しづらいことができるのです。