「天空の舟」宮城谷昌光著

宮城谷先生の出世作で、封神演義の殷周革命よりさらに前の夏から商(殷)への革命の話です。主人公は商の宰相伊尹で、産まれた時に洪水にあって桑の又で難を逃れて、料理人として名を上げた人物です。
あまり資料が無い古い時代の話なんで宮城谷先生の想像も結構入っていると思われます。気になるのは殷周革命のエピソードに近いネタが多いんですよねえ。妖姫末喜とか、商の王が夏に捕らえられて数年牢獄に入るとか、その時長男が死ぬとか。そのへんは後世の資料が殷周とごっちゃにしてることが多いんでしょう。基本的には殷周とか春秋戦国とか三国志とかと地名とか国名がかなり違うので新鮮です。