「一茶」藤沢周平著

小林一茶の一生を書いた時代小説。一茶は信濃の農民の出で、継母と折り合いが悪くて江戸に奉公に出るのですが、仕事が長続きせずに転々とします。いつの間にか俳句の宗匠として江戸近辺に出没するようになるのですな。でも結局は江戸で一家を構えるには至らず、実家の父が亡くなった後、継母と弟と遺産相続を10年以上繰り広げ、手に入れた田畑で40歳以降は信濃に住むことになります。
遅く嫁さんを貰い、日記に今日は6回交わりましたと書いた話は有名。最初の嫁さんは子供を5人作るも、全員早世してしまい、嫁さんも早く亡くなってしまいます。二人目の嫁さんは老人の相手をするのがいやで数ヶ月で離別。三人目の嫁さんはこぶつきですが、一茶の最期を看取ることになるのでした。一茶の亡くなった後に女の子が産まれて、これは成人したようですな。
俳人なのに俗っぽさ全開で辟易したのは事実。でもそこから生まれる境地はあるんでしょうな。