最近読んだ本の紹介

人が物事を考える、話す、書くといった行為は、情報を増やしているのではなく、不必要な情報を捨てることによって情報を固定化しているのである。
物理のエントロピーという概念を勉強したことのある人なら理解しやすいと思うが、物事は整理されているより雑然とした、カオスの状態のほうがありうる可能性は多い。例えば麻雀において無役は数え切れないほどありえる組み合わせは多いが、高い役ほど組み合わせの数は少なくなる。この組み合わせということは時間という概念にも当てはまる。水が器の中にある状態と、地面にこぼした状態だと、こぼした状態のほうが水分子が取りえる位置の組み合わせ、可能性は多い。麻雀の役と同じように、組み合わせ数が少ないほど生じる可能性は少ない。だからこぼした水を器に戻すのは難しいといえる。そして取りえる可能性が多くなるほう、乱雑になるほうが基本的に未来である。
人は視覚聴覚など常に大量の情報を感じている。無意識では大量の情報を感じている。情報を捨て、ある程度秩序化したものが意識である。だとしたら意識とは無意識の一形態に過ぎないのでは?
ユーザーイリュージョン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4314009241/249-1707201-7544304
定量的なことはほとんどなくて定性的なことばっかりだから引っかかる部分も多いけどなかなかおもしろい本です。