「ユダの窓」カーター・ディクスン著

1938年の推理小説カーター・ディクスンの作品は初見。
ヘンリ・メリヴェール卿が探偵訳。太った偏屈爺です。
青年が恋人の実家に結婚を申し込に行って、恋人の父親とはなしてる最中に意識を失い、気がついたら父親が死んでいたという内容。
密室殺人で、法廷でいかにして青年が無罪であるか立証します。
ユダの窓のトリックは割りとへーっとなる。
状況はかなり複雑なわりにスーッと読ませる作者の筆力は流石な感じ。

「日本史の謎は地政学で解ける」兵頭二十八著

西日本と東日本の盛衰は気温の差が要因として大きいという話がメインテーマ。
寒冷期には西日本が興隆して、温暖期には東日本が興隆する。鎌倉時代は温暖で室町時代は寒冷とのことです。
あとは海を輸送路として見た場合、瀬戸内が日本のメインレーンで、太平洋は帆船には危険ゾーンだった。
風に左右される帆船ではシーレーンの封鎖には有効でないが、蒸気船はシーレーンの封鎖に有効。ペリー艦隊が東京湾を封鎖可能であることを江戸幕府は認識したので鎖国を解除するしかなかった。
ロシアからの北海道への直接上陸は実は輸送の問題から困難で、樺太を経由する必要がある。
等々、内容には強引な話も多いように感じましたが、参考になる話も多かったです。