「新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」」デービッド・アトキンソン著

日本が観光立国になるための提言。精神論でなく非常に具体的に書かれていて、さすがアナリストと感心しました。
たかが年間1000万人で喜んでいて、世界のトップランクは年間8000万人だぞと現実を見せるとか、観光地として条件は整いまくってるのに人が来ない原因とか、これでワカランに人には何を言ってもダメという感じですね。
文章の端々に、日本を貶す気はないと何度も何度も書かれていて、よっぽど叩かれんたんだなあと同情してしまう。

「死刑執行人サンソン――国王ルイ十六世の首を刎ねた男」安達正勝著

集英社新書。代々パリの死刑執行人を務めているサンソン家のお話。小説っぽい内容だけど、一応エピソードには一々元ネタがあるらしい。
山田浅右衛門一族の小説「斬」と比べると同じような事例や文化の違いがあったりして面白い。
ギロチンで大量殺戮可能になったのも問題だけど、それ以前の処刑方法の酷さはすごい。やっぱ現代とそれ以前の肉体感覚の違いってのは認識しておく必要がありそう。