「武王の門」北方謙三著 上下

以前北方謙三南北朝時代に東北から進軍した北畠顕家の話「破軍の星」を読みました。今回は九州を制圧した征西将軍宮懐良親王のお話。
上巻では後醍醐天皇の皇子懐良親王が10代前半の頃に征西将軍宮として九州に着任。まずは薩摩で島津と戦います。
肥後の菊池氏に向かえられ、最強武将菊池武光とタッグを組むことに。
北九州は足利尊氏派の一色氏と足利直冬派の少弐氏が対立しており、征西府はこれにつけこみ一色を追いだし、少弐氏を筑後川の戦いで撃破したところで上巻終了。
下巻では少弐氏と戦い大宰府を制圧。九州を勢力下におきます。
室町幕府から幕府最強今川了俊鎮西探題として九州に送り込まれ、征西府軍は敗北。懐良親王は夢破れて、息子の月王丸に海に連れられたところで完。

弱小勢力から激戦の繰り返しでのし上がっていく展開は燃えるものがあります。後半は老将少弐頼尚や幕府の今川了俊という強敵が立ちふさがり、彼らといかに戦うかが見所。菊池武光が強すぎて、ライバルが今川了俊さえちょっとカマセっぽく見えるのが残念どころかな。
懐良親王菊池武光の男の友情、懐良親王と月王丸の父子関係が熱いです。
あと九州は兵沸きすぎ。どんな魔境だよ・・・