「夢幻の如く」 南條範夫著 読了。
十一代将軍家斉及びその時代のお話。
八代将軍吉宗紀州家の三男と生まれるも、兄が死んで紀州藩主に。それから将軍が死んで将軍になっちゃったという幸運の持ち主です。(実際はかなりえげつない手段を取ってます。)
それで以降の将軍は自分の血統から出そうと息子や孫に田安家、一橋家、清水家を建てて将軍継承権上位にしちゃいます。これが御三卿
田安家出身で吉宗の孫が松平定信、一橋家出身で吉宗のひ孫が家斉で、順番から行くと定信のほうが上位なのですが、田沼意次と一橋治斉の企みで松平定信白河藩に養子に出されちゃう。そいで定信は田沼失脚後に老中として実験を握ると、こういう歴史の流れであります。
そいで主人公の家斉は15歳から69歳まで将軍をやって、大奥の御妾が40人以上、子供が50人以上で、子供は大名の養子や奥方に入れられまくったという大迷惑な人であります。
家斉死後は十二代将軍は家慶で老中は水野忠邦。もうその頃には黒船来航時の老中阿部正弘も歴史に登場して、文化文政の天下泰平享楽の時代は終わり、怒涛の幕末へ時代が移るのでありました。