読了
シリーズ6,7で唐、宋を扱ってますが、今回は同時代に存在した北方の騎馬民族の話。 後世の中華的歴史書のせいで勘違いされていますが、唐の安史の乱以降から元まで、華北以南の諸勢力は地方政権でしかないという指摘。遼(キタイ)、金、元しか広域国家と呼…
題名にChatGPTがつく本はたくさんありますが、著者がウルフラムということで購入。 新書レベルではない高度な解説本です。 ウルフラムはニューラルネットと人間が言語使うときの脳の動きが近いものである可能性が高いことを何度も言及しています。将来的にニ…
唐滅亡後の五代十国時代の混乱後、宋による再統一。 科挙によって採用された官僚による政治の時代になり安定化。唐以前のような皇族や外戚のハチャメチャ政治ではなくなったものの、党人による派閥争いみたいになってスケールダウンした感じ。 金軍によって…
隋による統一と崩壊、唐による再統一。 則天武后による簒奪、玄宗皇帝と楊貴妃、安禄山の乱 帝国の栄華は安禄山の乱で崩壊するも、その後150年ほど帝国は生き残った。 その次の宋に比べると、律とか全体的にゆるいので、政治に口出しする女性とか貴族の影響…
三国時代のあと、司馬氏の晋が統一。魏と違って皇族を重用したのが裏目に出て八王の乱で国がめちゃくちゃになります。 それに乗じて民族大移動、五胡十六国時代に突入。ワケワカラン状態になります。 途中で南北である程度安定して南北朝時代になります。 五…
みんな大好き三国志。正史と考古学的な知見から、演義にツッコミ入れる内容。 北方の地理が変だから演義の著者が南方出身とか、三国志の時代は紙はあんまり普及してないとか色々面白い。 演義のはじめに、中国の歴史は統一と分裂の繰り返しとあるが、後漢末…
講談社学術文庫。 秦の始皇帝による統一帝国、楚漢戦争、漢による統一、武帝の時代の対外戦争、王莽による簒奪、光武帝による中興、漢の滅亡へ。 初期の皇帝によって、その後の中国の歴史に形付けられた事象は多い。 地方の官僚が残した文書、墓の発掘など時…
1巻は「神話から歴史へ 神話時代 夏王朝」 2巻は「都市国家から中華へ 殷周 春秋戦国」 内容が学術的すぎて両方とも飛ばし読み。 1巻は考古学的なお話。 2巻は殷周は都市国家で、天下統一してたかというと語弊があるというお話。 殷周は天下統一されてて、春…
終戦後の東久邇宮、幣原、吉田、片山、芦田の五名の首相たちについて。 詳細をほとんど知らなかったのでかなり勉強になった。 東久邇宮内閣は、鈴木貫太郎内閣がポツダム宣言受領して解散し、その後の占領軍進駐までの空白期間に軍部が暴発しないために置か…
半導体の歴史。発明から、量産化に向けた起業家たちの役割。冷戦でソ連の物量に対抗するために半導体による精密兵器の開発。日本の半導体産業の勃興と没落。韓国や台湾の先端半導体生産の集約。米中の半導体をめぐる確執。 「半導体有事」における近年のアメ…
アメリカが中国に突きつけた半導体規制は台湾有事を引き起こす可能性がある。(太平洋戦争前の日本への輸出封鎖に近いか?) 新会社ラピダスによる2ナノ半導体はできっこない。 以前NHKとか情熱大陸でラピダス扱っていて、個人的には経産省が仕切っている計…
主人公の岳彦が学生の時の登山で凍傷で両足指を失うも、不屈の精神でリハビリに励み日本有数のクライマーになるお話。 山ばかりで社会不適合気味だったのを登山用品メーカーに就職、水戸のスポーツ用品店の女性と出会って結婚して店の店主に。それでも山を諦…
速水先生の自伝的要素があって、若い頃にヨーロッパに留学した時に、キリスト教の教区簿冊を用いた歴史人口学に触れて、日本で宗門改帳を用いて歴史人口学を始めたという内容。 ものすごい地道な学問だけど、江戸時代の人口動態とか、田舎から都市への出稼ぎ…
安売りしてたので買ってみました。短編集かと思ったら、バラ売りでした。 「宇宙からの色」は隕石が落ちたあと周囲一体が名状しがたき色で狂気の世界になるお話。 「クトゥルフの呼び声」はこれまでに何回か読んだ覚えのある話。基本ですね。 今読むと、作者…
グレイマンシリーズ10作目。 前回ナイフで刺されたグレイマンは、感染症で体調が不十分のまま任務に駆り出されます。強すぎるのでデバフ状態(汗) アメリカとUAEとイランとEUとロシア間の複雑な国際関係の間の謀略をグレイマンおよびポイズンアップルの面々…
浜松城の補給線が浜名湖水運にあるとの指摘で、信玄が三方原に進出して西方に向かったのは浜名湖水運を握るためという仮説。 家康は信玄の意図に気付いたので、阻止するために決戦せざるを得なかった。 今の浜名湖パルパルにあったのが堀江城で、浜名湖水運…
放射線の説明、核兵器の説明、後半は多田将×小泉悠×村野将の座談会です。 放射線とか核反応、核兵器の原理は結構知っているつもりでしたが、核兵器のブースターの話は知らなかったので非常に勉強になりました。 トム・クランシーの「恐怖の総和」でテロリス…
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」を書いた著者の新作。クリスパーを用いたゲノム編集技術に関するお話。 shpolsky.hatenablog.com主人公格はクリスパーでノーベル化学賞を取ったダウドナ。ライバルと熾烈な開発競争を繰り広げます。わりと善玉悪玉がはっきりし…
真田幸隆、昌幸、信繁について、資料から実相を描いた内容。 幸隆あたりの動向はよく知らなかったので参考になった。 信繁の話になると、内容が講談調になったのが残念。
新田次郎の小説を思い出しながら読みました。新田次郎の方はキャラ立ちさせた内容だけど、こちらはキャラの性格はあまり描かれない。 どの国も同盟変えすぎてて、もうちょっと外交まともに考えようよって感じ。 武田征伐では織田信房という人が活躍してて誰…
大河ドラマ放送中に、その回の歴史的背景を解説した連載をまとめた内容。 史実とドラマの差異がわかって勉強になる。 義時はやっぱり腹黒なんだな。
グレイマンシリーズ。 今回は国際人身売買グループを追ってグレイマンが東奔西走します。 前半はヨーロッパで孤軍奮闘、後半はアメリカで爺さんズと組んで人身売買のアジトにぶっこみます。 英題は「One Minute Out」残り一分!で、ヘリでぶっこむ時にそのセ…
明治の頃、石巻の医師の家の三男として生まれた安田恭輔は、祖父と両親を若い時に失い、医師になれずに船乗りになって米国に渡った。 船がアラスカ沖の氷で立ち往生し、安田は単身助けを呼びに行くことに成功。ただ白人の人種差別に直面し、船を降りてアラス…
孝明天皇が強烈に攘夷の意思を持っていたから、それを中心に幕末の歴史が回ったという考察。 一橋、会津藩、桑名藩という在京勢力が孝明天皇の信任を得て政治の中心になったのが次のステージ。 一橋慶喜が将軍になった後大政奉還し、薩摩は政治の主導権を握…
范蠡、呉起、孫臏、商鞅、蘇秦、魏冄、楽毅、田単、屈原、藺相如、廉頗、趙奢、白起、范雎、呂不韋、王翦。 宮城谷昌光先生の本は結構読んだつもりだったけど、後半の藺相如から王翦はあまり知らなかった。 藺相如はめちゃ国士で感動した。秦はなんだかんだ…
オグリキャップを中心に、生産者、馬主、調教師、厩務員、騎手等の周囲の人々、ライバル馬たちの物語。 生産した小さな牧場の話から、オグリキャップが生まれてすぐ牧場の奥さんが亡くなって夫と息子が2人で牧場を切り盛りして・・・ってヘヴィな展開。 最…
コロナの後、インフレになったのは経済学者の間でも謎なんですね。未だに議論が続いてます。 インフレは、ウクライナ戦争が原因ではなくて、コロナによる人々の行動変容が主因ではないかという推測。 インフレは普通は需要過多で起きると考えられていたのが…
日本の安全保障戦略に関する制度、歴史、現状などの解説。 制度、国がどのように動いているかは著者が実際に関わっていたとのことで非常に詳細に書かれている。官邸と国の機関がどのように関わって動いているのかある程度認識できた。思想的な話はすっ飛ばす…
劉邦の周辺の人たちの短編集。その人の視点によって、劉邦への感じ方が違うので劉邦の人柄に立体感が出てくる。 項羽の武将の季布、劉邦の幼なじみの盧綰、漢の外交官の陸賈、劉邦の庶長子の劉肥、儒者の叔孫通の五名。どれも横山光輝だとちょい役で、その人…
針、ホメオパシー、カイロ、ハーブをメインに、代替医療の有効性について論じた内容。 ホメオパシーは完全にデタラメだと思っていたけど、針もほぼプラセボというのには驚いた。