貧しい家に生まれた娘が後宮に上がることになり、変転の末皇后になるお話。
「海軍乙事件」吉村昭著
主に第二次大戦の話の短編集。
題名の海軍乙事件と甲事件の話があります。
乙事件は古賀連合艦隊司令長官が飛行艇で移動中に行方不明になった事件で、
甲事件は山本連合艦隊司令長官が飛行機で移動中に撃墜された事件。
この本では、古賀長官の乗った行方不明の一番機の詳細はわからないので、不時着した二番機の顛末が書かれています。二番機はフィリピン近海に不時着後、搭乗者はフィリピン人ゲリラに拘束され、在日本陸軍部隊と交渉の末開放されます。その際行方不明になった機密書類について、日本海軍は特に心配していなかったが、実は米軍が入手して暗号解読していたことが戦後に明らかになったという・・・うかつすぎるだろう。
二番機搭乗で生き残った福留中将は結構長生きしてるのね。
「墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便」飯塚訓著
日航機墜落事故の遺体判別現場。
警察、医師、歯科医、看護師の努力で、飛散した遺体が判別していく様子は頭が下がる。
日本人と外国人の遺体への感覚が違うのはたまに聞くことで、私はどうせ燃やすのだからそんなにがんばって判別しなくても良いのではと思ってしまう。死者のために生者にどれだけ負担をかけて良いのかとも思う。