「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」大木毅著

岩波新書。近年の情報公開で情報がアップデートされた独ソ戦の全体像。

以前パウルカレルの戦記物を何冊か読んだのですが、国防軍擁護の捏造があるとかで、ドイツではもう絶版とのこと。

独ソ戦を始めるのを指示したとか、モスクワを軽視したとかはヒトラーの性で、民間人を殺戮したのは親衛隊というのは間違いで、国防軍がかなり関与してた。

ドイツのほうが戦術が卓越しているが、ソ連が物量で押しつぶしたというイメージは間違いで、「作戦術」(戦術と戦略の中間の概念)ではソ連が圧倒していた。ドイツは目の前の戦闘の積み重ねでした計画を立てられないのに対し、ソ連は作戦術の概念を創出して、戦略目標を達成するために戦役を配置していた。パグラチオン作戦は作戦術の完成形。連続縦深打撃理論は未だによくわからんなあ。

パグラチオン作戦で両軍戦力は160万で、ノルマンディ上陸作戦で両軍戦力は20万なので、第二次大戦の主戦場が独ソ戦というのは明らかだわな。

「サイコパスの真実」原田隆之著

ちくま新書サイコパスに関する犯罪心理学における説明。

サイコパスはどういう特性から成り立っているか。特性の濃淡によってどういうタイプがあるか等参考になる。

私の人生で確実にこいつはサイコパスという人に会ったのはそうそうないけど、一度仕事をした人で昆虫みたいな感じがした人がいて、あれがサイコパスだったのかなあと思ったり。最初は好印象だったけど、たまに妙な違和感があるんだな。

親戚の子が幼児のころ、こいつサイコパスじゃねーのと焦ったことがあったけど、小学校入るくらいには感性がまともになってきたことがあって、幼少の内に即断しちゃうのは危険だとも思ったり。

「老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体」鈴木大介著

オレオレ詐欺等、老人を狙う組織犯罪の実態。2015年の本なので、手口的には変わっているかも。

徹底した組織運営や社員教育、モチベーションの高さは、今の日本企業では見られない。

この本に出てくるプレイヤーは、軍隊にいれば優秀な兵士になったであろうね。

「ラーメン屋 vs. マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層―」竹中正治著

新潮新書アメリカ駐在していたエコノミストによる日米比較論。

アメリカは巨大資本で均一化する一方、日本は少資本で色んな店がある等。

文字の形式でディベート文化とブログ文化に分かれるとか、日本は家が高いから株じゃなくて不動産に金が行くとか、日本の中小企業に無担保ローンがないのが問題とか色々。

無担保ローンがないのが問題なのは、ナニワ金融道とかミナミの帝王見てるとそうかもねと思ったり。

富山城

9/11-13まで富山出張。時間を見つけて続百名城富山城に行きました。

富山市電とバスのみ使えるICカードエコマイカ購入。互換性はなし。

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城の南側から。城っぽい建物だけど、資料館。城の建物は明治に壊されて官公庁になってしまった。

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敷地内は公園で、小さな日本庭園や美術館があったり。

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あとはブラックラーメンや白エビ天丼食べたり。観光はこれくらい。

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名古屋富山間はルートが悩ましいところで、今回は行きはしらさぎで金沢まで行き新幹線に乗り換え。帰りは富山発ひだで帰りました。富山発ひだは一日四本しかなく、富山発は3両編成で途中高山で連結して7両編成になる。

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ハクソーリッジ

メル・ギブソン監督。沖縄戦の激戦地ハクソーリッジで、銃を持てない衛生兵が助けまくるお話。

メル・ギブソンのわりにハートウォーミングストーリーじゃん!って思ったり。

ハクソーリッジの崖の描写は嘘くさい(^_^;)

日本軍がわりと強いのは良いですね。

「昭和天皇伝」伊藤之雄著

文春文庫。漫画「昭和天皇物語」より実像を描写しているかな。漫画は若干美化している感じ。

即位したての頃は、理想に力量がついてきてなくて判断を誤り、軍部の支持を失ったことで満州事変等の軍部の暴走を止めることができなかった。

終戦時の頃はある程度円熟してきて、軍部の暴発を防ぎつつ終戦に持っていくことができた。

戦後は、立憲君主的な政治的な言動はややあるものの、象徴天皇として国民を統合することができた。

元老西園寺公望が高齢すぎて、原敬が早死せず未熟な天皇を補佐できていれば、歴史の流れが変わったのではないかとの記述。