「土の城指南」西股総生著

「城取り」の軍事学と似たようなテーマなんだけど、こっちはかなりガチに縄張り図の作成方法を指南している。

城の各パーツの解説が非常に勉強になった。

新しく建てた天守犬山城そっくりばっかとか、見やすくすることを重視しすぎて跡を破壊しているとか苦言もあり。そういう考え方はなかったので参考になった。

「戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢」西股総生著

戦国時代の軍隊の構成について。

正社員の武士と非正規の兵士の二重構造だったというのがテーマ。

渡辺勘兵衛の山中城攻めのくだりはとても面白い。山中城は行ったことあるので、どんな感じな城か想像できるのだけど、重装歩兵が曲輪をどんどん突破していくのはにわかには信じがたい。自分は山城で攻撃を想像したりするけど、死傷者めちゃ出そうと思っていたりする。

城攻めは物量攻撃するのかと思っていたら、手練の武士による特攻が重要だったのですね。

ランペイジ 巨獣大乱闘

三連休、天気が微妙なので家でDVD見たりしてグダグダすごす。

謎のガスを吸って巨大化したゴリラと狼とワニが、都市で大暴れする映画。

人間パートは退屈だけど、巨大化怪獣大暴れシーンは面白い。

米軍の攻撃は全然通じないのに、ザ・ロック兄貴は割と普通に対抗しててワロタ。腹に弾があたっても、重傷じゃないからヘーキヘーキと普通に戦闘してるし。。。

「「城取り」の軍事学」 西股総生著

日本の城、主に山城を軍事的視点から考察した内容。

築城者や築城年代が確定している城は2割もないほどで、城にある看板の記載はたいてい根拠がない。領主と城主をごっちゃにしている。

大名が地域の防衛のために差し向けた防衛隊の武将が城主の可能性が高いというのは、言われてみるとそりゃそうだよねという話。

資源や人のリソースは限られているので、機能盛り盛りよりも、ある特定の用途に特殊化している城が多い。特定の方向のみ防衛設備が整っていて、裏は全然とか。

一見、なぜここに築城したか謎な城があっても、大名の位置関係から敵の進行方向を予想して妨害目的に築城されたと想定すると合理的とか、そのばその場の状況を考慮しないとわかりにくいことも多い。

自分が城巡りをしていると、上りは攻撃側視点、下りは防御側視点ということで、こういう攻撃を想定して作ってるのかなと思ってはいたけど、この本でより具体的に考えながら回れそう。

「ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅」井出明著

悲劇がテーマの観光ガイド。

前に沖縄に行ったときに、海軍司令部壕とかひめゆりとか平和記念公園行ったのが対応してるかなあ。

津波被害の跡は残しておいても仕方がないと思っていたけど、この本で書かれたように、無くすと記憶が消えてしまうというのはもっともだと思ったりする。

ひめゆりの塔の近くにも軍医壕があってほとんど顧みられていなかった。地元の人が取り上げないと、忘れ去られてしまう。

あと、現地の人の話だけを聞いていると、客観性が保てないといった趣旨の記述もあり、それも納得した。フォーリナーだからこそ、いろんな視野からの視点を持つというのも重要。

「太公望」宮城谷昌光著

上中下。あんまり史料がない題材を、宮城谷先生が想像力で書き上げた。

最初は流浪の青年が、剣術と文字を仙人から修行して超人になるラノベ展開。

中盤はいろんな国に人脈作って対商王朝の裏ネットワーク作成。

終盤は周に士官して、一気に易姓革命

周の建国あたりの話は、周公旦とか召公奭とか名前は知ってるけど何やったかよくわからんかったけど、割とつながったかなあ。召公奭がかなり重要だというのがわかった。

「情報参謀」小口日出彦著

2009年自民党が下野してから、テレビとネットの情報データ分析をして情報を提供した話。

政治がネットを重視するようになった黎明期にどのようなことをしていたかという話で、とても興味深い。

多分世界の政治ではもっとディープなことをやっていると思うので、そういう話も読んでみたい。